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それはまるで、
推理小説の中で
謎解きを見ているような、
お城に勤めて早一年。
城下町には、年に2,3回
使いに行ったこともあるけど…
今まで、ずっとお城の
"内"で仕事をしていた私。
"内"しか見ていなかった私。
それがどうだろう。
私は今、何気に初めて
城外敷地に足を踏み入れている。
胸の鼓動を強く感じる。
どくどくと、脈動。
それは、
トンネルの中から見えた
強みを増す光りのような、
不安では無い。
運動に対する動悸でも無い。
それは紛れも無く、"期待"。
私は知らずのうちに、
"未知"の期待に
心を弾ませていた。
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