-秘密の園で-

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そんな私に、 また更にご満悦な様子で 彼がニコリと笑った。 「どう…?驚いた?? っへへ!驚いて言葉も 出ねーみたいだな!ん?」 私は彼の言葉で、はっと 我に返ったかのように、 彼の方を見た。 「はい…。 だって、こんなに綺麗…」 私は再びバラ園の方を見て、 その美しさにため息をついた。 飽きる事の無い綺麗な光景。 彼は私の様子を見て、また にかっと満面の笑みを浮かべ 「ひひっ、だろー? 俺はっ、この庭を任せられてる 庭師なんだぜー。 ここのバラはみーんな、 俺が一つ一つ愛情そそいで、 ここまで育ててきたんだっ。」 彼は心の底から 嬉しさを表す 幸せそうな表情だった。 まるで、 可愛い我が子を自慢する 親バカみたいな笑顔。 「…ふふっ、」 そんな楽しそうな彼の様子に、 私も自然と 笑みがこぼれていた。 .
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