-秘密の園で-

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「あのね…さっき他の使用人さん達が 話してるの聞いたんだけど… 王子の…ウィル様ってなんか みんなに、恐れられてるというか… あまり好かれていないというか… 評判が良くないみたいなんだけど、 …アリアはどう思った?」 尋ねるメルは不安そうに私を見つめた。 うーん、それはー… 私自身は、色々あったけど… 「特に、何も…ただ、」 「ただ?」 「…悪い人には、見えなかった。」 初めてがあんな形になってしまったが、 でも、あんな事になっても私は何故か、 ウィル様から…悪意のようなモノは 感じれなかった。 …単に私が鈍感だったのかもだけど、 「そっかー…うん。 なんか、安心した。」 「安心…?どういう事?」 「ううん、何でも! …いや、なんと言うか、 仕事場の雰囲気って大切だからさっ」 「えー何それー」 「だからっ、何でも無いって 言ったじゃなーい?」 「本当に何よメルー…ふふ、」 心配してくれたのかな…ありがと。 でも本当に不思議。 あんな風にウィル様と接してしまったのに、 私が感じたのは悪意とかじゃなくて …ウィル様は、 何処か悲壮美を湛えていて、そして 何故か…孤独でいるように感じた。 .
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