-comprehension-

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これも… きっと、 運命だったに違いない。 今ならそう思える。 気のせいか、 ウィル様が少しだけ 驚いたように見えた。 あんまりそれを気にせず、 私はのうのうと 話しを続けた。 アリア「元々、 自然の恵みも少ない… 貧しい町だったんです… でもある日…」 ウィル「……おい…」 私はウィル様の声を聞き逃し、 話しを続けてしまった。 これも、気持ちが 高揚していたせいだ。 アリア「…このお城の! お役人さんと、 植生研究者の方がお…」 ウィル「聞こえんのか」 ピリッ… と…この場の空気を 一瞬で凍らせてしまうような、 電気が走ったように痛い、 静かな一言で、 ピタリ…と 私の話しを打ち切られた。 怒鳴られたわけではない、 ただ一言、 それだけなのに… 言われた瞬間、 まるで喉元に ナイフを突き付けられたような感覚に陥って、 それ以上話す余裕なんて どこにもなかった。 .
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