序章。

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「まあ、いーよ。言っても分かんないだろうし。 …明日、自分の席があると思うなよ。 いこ!」 智里は腰巾着達にそう言うと自分の席に戻っていった。 ああ、ほんと苛々する。 こんな奴らにどうして、あたしはいじめられなきゃいけないんだろう。 何も悪いことはしていないはず、なのに。 …あいつらのレベルが低すぎるなんて充分、分かってる。理解、してる。 …だけど。 だけど、あたしはこのいじめに正直、まいっている。 別に少しくらいならへっちゃら。 …1年も続いているとなると流石にキツい。 精神的に参る。 敗けを認めるみたいで悔しいから絶対に表には出さない。…出したくない。 表には出さないけれど、あたしだって死にたい、だとかいうネガティブな感情はあたしの中にある。 自分に色々、言い聞かせたりしてきたけれど、そろそろ限界かもしれない。
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