1章。

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翌日、あたしは教室に入って驚いた。 あたしの席がない。 …いや、席はある。 あるんだけど、本来机がある場所にたくさんの雑巾がある。 とりあえずあたしは雑巾を掃除用具入れに押し込み、まだ使われていない真っ白な雑巾で雑巾の山の跡地を拭く。 …朝っぱらから何をやっているんだ、あたしは。 昨日、智里は「明日、自分の席があると思うなよ」みたいなことを言っていたがこんなことだなんて…。 何が悔しいって、泣きそうになってる自分がいること。
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