序章。

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でも、それは友好的なクスクス笑いではなく悪意のこもった、人をバカにする笑い。 この、クラス笑いというのはほんとに嫌だ。 気持ちが悪い。 …プライドが人一倍あるあたしだからなのかもしれない。 「毎回毎回古川さんは…。 もう、高校2年生なのよ? 来年は授業だけじゃなく大学受験だって控えてるの。 いつまでもそんな態度をとるのはやめて、真面目に授業くらいを聞きなさい。」 「はい。」 何度となく聞いてきた説教。 もう耳タコ状態… だけど適当にあしらったら余計怒られるだけ。 だから反省したような態度、声で言う。 「…まったく。 65ページの「ところが」で始まる段落よ。」 「ありがとうございます。」 先生に指名された部分を読み終えると、あたしは再び考えごとをする。 …こんな授業態度だが、一応テストの成績は上の下くらいを維持している。
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