序章。

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何故だか、この学校の先生は始まりの挨拶はするのに、終わりの挨拶はしない。 「授業を聞いてなかったので分かりません、だってよ!」 あたしの後ろから声が聞こえた。 …智里だろう。 似てもあないあたしの物真似をして、いつも苛々させられる。 あたしはこんな奴と一瞬でも仲が良かったのかと思うと吐き気がする。 「いっつもさー、黙ってばっかだけど、もしかして喋れないんじゃなあい?」 「まじ!?」 「それに臭いしい。」 「こんな奴に友達なんか出来ないよねえ」 「確かにい。」 ねちっこいしゃべり方で嫌味を言ってくる。
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