序章。

9/10
前へ
/156ページ
次へ
もちろん、あたしは無視をしている。 こんな幼稚な奴らを相手になんかしたくない。 ああ、もう、ほんと頼むから放っておいて。 「ねーえー。なんとか言ったらどうなのぉ?」 「……なー。」 「はあ?聴こえないんですけどお。」 「うっさいから、あっちいってくんない?」 思わず口から言葉が漏れた。 「なんだ、喋れんじゃん。」 「『うっさいから、あっち行ってくんない?』だってさあ。 …立場、わかってんの?」 「分かってたらこんな睨んでないって。」 智里にくっついていなきゃ、あたしに突っかかることさえ出来ない人に比べたら幾分あたしはマシだろうな。 …こいつらに絡まれるのはほんと不愉快。 めちゃくちゃ苛々する。
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加