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前の人が自己紹介を終え、席についた。
俺は慌てて立ち上がる。
「…あ…えーと、フェリシアーノ・ヴァルガスです!
パスタとピッツァが大好きなお茶目さんです!
宜しくお願いします!」
簡単にそれだけいい、椅子に吸い寄せられるように座った。
…良かった、これでシエスタ出来る…
そう思い、机に俯せになろうとしたが、菊だけは見たいと思い我慢することにした。
どんどん順番が回っていく。
…そして―
菊が、例のコスプレのまま立ち上がる。
…菊にしては、空気読んでないよね。うん。
絶対この場にローデリヒさんがいたら「このお馬鹿さんが!」って言われると思う…。
「…ただの国には興味ありません。
薔薇、百合、ツンデレ、ヤンデレ、猫耳、鬼畜眼鏡―…」
菊が俺にとっては呪文みたいな言葉を並べてゆく。
「―…が居たら私の所まで来なさい。以上。」
何のため?…さあ。
多分菊の鞄の中にはデジカメが入ってると思うよ…。
恥じらうことも無く菊はそういって静まり返った教室などさも見えていないかのように着席した。
先生が慌てて次、と言う。
…ふとルートを見れば、頭を抱えていた。
後で怒られて
「コスプレ駄目なんですか!?
萌えを私から奪ったら死にますよ!」
と逆ギレしていたのは言うまでもないことだよね、うん…。
一緒に居る俺まで恥ずかしいよ。
珍しく菊に自重して欲しい瞬間でした、まる。
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