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草原の色が深緑から次第に黄金色へと変わる季節のことである。その頃17歳の私は養父の書庫へと密かに忍び込み、いつものように魔法について勝手に学んでいた。養父に魔法を教えてもらえればそれが一番よい、しかしながら彼はそのことを話しても全く相手にしてくれないのである。
だから、仕方なく隠れて勝手に魔術書を読んで、勝手にその知識を習得している。魔法とは元々自らに刷り込まれているものであって、絶対的に決まった系統の魔法しか使えないと魔術書『攻撃魔法の基礎と応用』に書いてある。さらに引用すれば、「系統の決定は相互の親から一系統ずつ受け継がれる」らしい。
おそらく数百冊の蔵書がここにはあるだろう。私の住んでいる平屋建ての家の外見はそれはもう酷いもので、木は朽ちて屋根瓦ははがれ、石垣が辛うじて残っている程度である。
なぜ数百冊もの蔵書がこのような廃屋で汚れもなく保管ができるのか。それにも魔法が関わっている。養父はその魔法の名称だけは教えてくれた。『時空間魔法』というらしい。そして私が勝手に調べたところによると、時空間魔法は親から受け継いだ『系統』に影響されない誰でも使える魔法だが、これには多大な習得努力とセンスが必要であり、並大抵の人には使えないらしい。
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