パパと話そう

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もし明日、 父親が死んでしまうと仮定しても、 今の内に尋ねておきたいことはまったくないだろうか? そんなはずはない。 父親に尋ねたり確かめたりしておきたいことは、 考えてみれば山とあるはずである。 父親が自分と同じ年齢だった頃、 何を思い、 どんなふうに生きていたのか。 母親とどんなふうにして出会い、 結婚に至ったのか。 自分がまだ小さかった頃、 父親はどんなふうに愛してくれたのか。 そして年齢を重ねた今、 いかなる人生観を抱いているのか。 尋ねておきたいことは沢山あるはずである。 なのに現実には、 私を含めた多くの息子たち娘たちは、 父親と改めてじっくり話そうとはしない。 照れくさいし、 何を今更という気持ちもある。 しかし父親は明日死んでしまうかもしれないのだ。 そうなってからでは、 もう尋ねることはできない。 今の内に、父親と話しておく必要がきっとある。 (ここんトコややこしいけど)私を含め、 世の父親というのは子供には知られざる側面が必ずあり、 それを垣間見たときというのは、 結構驚いたり、 目からウロコぽろぽろだったりするし、 実は色んな話を沢山内側に抱え込んでいるもんである。 過去ばかりでなく、 未来に関しても、 自分らとは違った捉え方をしているに違いない。 どうだろう。 今日、お父さんが帰ったら、 じっくり話をしてみては? あるいは電話をかけて、 ちょっとマジメな質問をしてみては? きっと無駄にはならないと思う。 お小遣いをくれるかもしれないしさ。
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