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席に着いた僕は鞄を机の上に置き、とりあえず時間を見た。やはり入学式は長引いたようだ。
すると、
「なあ、お前って初等部に居なかったよな。もしかして外から来た?」
馴れ馴れしい奴が来て、僕に矢継ぎ早に質問をしてくる。
ちなみに、外とは首都以外の町のことだ。理由は首都が360度城壁に囲まれているため、こう呼ばれるらしい。
「う、うん。そうだよ」
勢いに飲まれ、短い返ししか出来なかった。
この男子は深紅の髪の毛を立てている、間違いなくイケメンの分類に入るだろう。
地味な僕にはうらやましく思える。
「あ、悪い。俺の名前はテオ・フロイド。よろしく」
そう言いながらテオは僕の前の席に着いた。後ろ向きで椅子に膝をついてだが。
「僕はレクサ・ガーティンよろしく」
「よし!これで俺は友達だ。首都で分からない事があれば俺に聞いてくれ」
そう言いながら、満面の笑顔で親指を立てる。
「はは、ありがとう」
そんなテオを見ると僕もつられて笑顔になってしまう。
正直、テオの第一印象は『何だこいつは』だ。だが同時に僕は『いい奴なのか?』とも思った。
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