初登校

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男性は若かった、30代前半だろうか。 「……君がロイさんの所の子のレクサ……君?」 「はい、そうです」 彼の言葉が詰まる理由は分かっている。 いつもの事だ。 「ロイさんから名前しか聞いてなかったから、女の子だと思っていたよ」 そう、名前だ。 ロイさんことロイ・ガーティンが僕の父。 「名前だけだとよく言われます」 レクサことレクサ・ガーティンが僕の名前。見た目は藍色の髪をショートカットにしている。 それに学生服を着ているので、どう見ても女の子には見えないと思う。 「それは悪い事をしたね、謝るよ」 僕にとってはいつもの事だが、彼は気にした様で少し気の悪そうな顔になった。 「慣れてますから、それよりそろそろ行かないと……」 時間はあるが、なにぶん初めての首都だ。道に迷う可能性もあるので、余裕をもって首都には着きたい。 それに魔車にも早く乗ってみたい。 「そうだね、後ろに乗って出発するよ」 「はい!」 いよいよ魔車に乗れるとあって興奮してしまう。僕は魔車の外観を見ながらも中に乗り込んだ。
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