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僕と男性を乗せた魔車は走り出した。
馬車と魔車は、馬が魔石に変わっただけでほぼ変わらないらしい。馬車より魔石機関の音が少し耳に響くがかなり快適だ。
僕は魔車に気を取られ、大切な事を忘れていた。彼の名前を聞くのを忘れていたのだ。
「あ、あの」
僕は前の席に座っている彼に声をかけた。
「ああ、名前を言ってなかったね。私の事はバレットと読んでね」
バレットさんは言いたい事を察して、答えてくれた。魔車を運転してるため後ろを見ずにだが。
「はい、分かりました。そう言えば、バレットさんと父さんはどんな関係何ですか?」
貴重な魔車を持っている人だ、あの父との関係はかなり気になる所だ。
「ロイさんとか……言うなれば先輩と後輩かな?」
父さんが先輩か、残念ながら想像出来ない。どちらかと言えば、バレットさんの方が先輩に思える。
歳以外は
「そうなのですか。ところでバレットさんは、カーライル学園について何か知ってますか?」
「ふふ、知ってるよ。だって私は…………」
バレットさんはここで焦らしてくる。何か知ってるこの言い方が気になる。
「私は?」
堪らず僕は聞き返す。その答えは……
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