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「私はカーライル学園の卒業生だからね」
バレットさんはついに焦らしを止め、質問の答えを教えてくれた。
「え!?そうなんですか!」
バレットさんの答えは予想以上で、僕はつい体を前に乗りだしてしまう。
「と言ってももう17、いや18年も昔の話だけどね」
確かに昔の話だ。だが、20年程前は優秀な生徒が多く在席していた時期に当たる。
「でも、20年前って確か優秀生がたくさん居た頃じゃないですか!」
僕のテンションは下がらない、いやむしろ上がっている。
「よく言われるよ。私としては今でも実感が湧かないけどね」
斜め後ろなのでよく見えないが、バレットさんが照れているのがよく分かる。
「やっぱり、プレッシャーの様なものがありますか?」
僕からの質問は全く止まらない。いや、止まれるはずがない。
「そうだね……最初はそう言うのもあったね。今はそうでもないけどね」
そう言うものなのだろうか。と思った頃には、ははっとバレットさんは笑っていた。
「バレットさんは仕事は何をされているのですか?」
「う~ん、秘密……かな。レクサ君が強くなったら分かると思うよ」
バレットさんは一瞬後ろを向き、何か含みがあるかの様な笑みで答えてくれた。
「一生分からないかもしれませんね……」
バレットさんの言葉に、僕は苦笑いをするばかりだった。
◇
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