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◇
「ただいまをもって、カーライル学園入学式を閉会します」
入学式が終わり、講堂がパチパチといった拍手の音とともに、生徒や保護者が喋りざわつく。
「新入生の皆さんは先生に従い、各自のクラスに移動して下さーい」
講堂に先生の声が響き渡る。魔法で声を大きくしているのだろう。
僕のクラスはA組だったはずだ。一体場所はどこだろう、そう考えながら僕は前にいる人の後をついて行くことにした。
僕は教室に着くまで、これから何をするのだろう、と考えていた。
少し学園の事を話そう。
この学園は魔法を使うため、広大な敷地にかなり大きな建物が建っている。そのため、講堂から教室の移動もそれなりの時間がかかる。
さらに入学式後だ、生徒がごった返しなかなか前に進まない。
「はぁー、疲れた」
なので、教室に着くまでには疲れていた。主に心が。
僕は黒板に席順が書いているのを見つけ、自分の席に座ることにした。
場所はと言うと廊下側から三列目、後ろから二番目だった。微妙なポジションだ。
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