脳内ゲーム ―ミュート―

脳内ゲーム開始

脳を繋げた？、サーバー？、ゲームに出場？何を言っているのかわからない。
「いったいどういうことなんだ」

― 出場するにあたってニックネームをこちらで決めさせていただきます。

― 希望があれば、服装のチェンジも行うことができます。右側の壁にパネルがあります。お好きにどうぞ。

― その方がテレビゲームの主人公になったような気分でしょう？
それではこれより貴方はバルグ・ライセンスと名乗ってください。

― ではゲームをお楽しみください。

こちらの声は全く聞こえていない。おそらく録音したものを流しているのだろう。
最初のこちらに対する解答もたまたま音声と一致しただけのようだ。

アナウンスが済んだ後、正面の壁にポッカリと穴が空き、人が通れるほどの空洞ができた。

とにかくこのまま何もせず、じっとしていても仕方がない。

前に進もう。

俺は扉をくぐり抜けた。