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「いきなり入って来て気持ち悪いは酷くないか?妹よ」
「……ごめん、にいにいの泣き顔が生理的に無理だった」
……僕は、なんの為に生きているのだろう。
誰か教えてください。
「……で、何?」
止まる気配のない、目から溢れる塩水を手で拭いながら、首を傾げる。
「あ、勉強教えて貰おうと思ったんだけど……なんか大変そうだね」
はは、と渇いた笑いを浮かべる響。
「私で良かったら聞こうか?力になれるかわからないけど」
「ひ、響ぃ……お前って奴は……」
何て良い妹なんだ。
可愛くないなんて言ってごめんなさい、響様。
「あ、勘違いしないでね?泣かれてるのもウザいし、勉強教えて貰う為に仕方なく、だから」
前言、撤回。
やっぱりコイツ可愛くねぇ。
僕の周りの女はどうしてこうも可愛げがないのだろうか。
「まぁ、いいや。実はな?」
何だかんだ言いつつ、僕は話し始めた。
今日一日の悲惨な出来事。
それから、あの悪魔の様な女の事も。
全部話した。
「……と、言うわけなんだ」
一通り話し終えると、響は小さくゆっくりと頷く。
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