最終鬼畜女クラスメートS

11/15
前へ
/269ページ
次へ
「ふーん、なるほどねぇ」 「酷いだろ?そいつ」 「……そうかなぁ?」 「へ?」 響の口から飛び出した言葉は、僕が待っていたモノとは正反対の言葉だった。 「まぁ、にいにい昔から鈍いもんね、その辺は」 「は?どういうこと?」 一人で勝手に何かを納得した様子の響は、深々と溜息をつく。 「その人、苦労するんだろうなぁ……」 遠い目の響。 いったい何の話だろうか。 「ま、いいや、気が変わった。部屋帰るわ、じゃあね」 「え?あ、ちょ!」 その遠い目のまま、響は帰って行った。 ……なんなんだよ、どいつもこいつも。 「ちぇっ………」 面白くない。 僕は再びベットに倒れ込んだ。 「……櫻井さん、か」 そして、思い返すのは彼女のこと。 とんでもない鬼畜野郎だったけど、可愛かったな。 誰が見ても美少女の類に入るであろう彼女。 今日の事件がなかったら、一生関わることもなかっただろう。そう考えると、ラッキーだったのかもしれない。 ……まぁ、それを補って余りある程の被害を被った訳だけど。
/269ページ

最初のコメントを投稿しよう!

775人が本棚に入れています
本棚に追加