775人が本棚に入れています
本棚に追加
神崎奏、一生の不覚……。
今、もし僕の手元に死のノートがあれば、僕は迷わず彼女の名前を書くだろう。それも凄い速さで。
しかし、残念ながらそんなノートが存在するのは二次元の中だけのお話で。
「ねぇ?神崎君っ♪」
僕は、歯を食いしばって彼女の「口撃」に堪えるしかなかった。
無力な僕に、誰か力を……。
「あの、生徒会長さん?」
だが、僕もやられっぱなしではいられない。
意を決して、僕は口を開いた。
ガツンと言ってやる!
「……これは二人だけの秘密にしておいてもらえませんか?」
えぇ、そうですよ。
僕はチキンですよ。
これくらいのことしか言えませんでした。悪いかよ畜生。
「んー……そうですねぇ」
生徒会長、もとい櫻井さんのメガネがキラリと怪しく光る。
「一つ、条件があります」
「……条件、ですか?」
コクリと頷き、彼女は言葉を続けた。
「神崎君の特性を活かした協力をして欲しいんです」
「協力、と言いますと?」
僕の特性を活かした協力?
なんだろう。
僕の特性と言えば、空気と一体化することと、女子に見向きもされないことくらいしか思い付かないけど。
最初のコメントを投稿しよう!