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「私、好きな人がいるんです。凄く、ヲタクな」
彼女の口から放たれた衝撃の言葉。意表を突くまさかの言葉。そして、僕は思ったんだ。
心底、どうでも良いと。
「……何か、おかしいですか?ん?」
多分、それが顔に出てしまったんだろう。
櫻井さんの声のトーンが、2オクターブ程下がった。
……すごく、怖いです。
「あ、いや……別にそんなことは……」
慌てて取り繕う僕の作り笑顔、プライスレス。
「そうですよねぇ、おかしいですよねぇ。私に好きな人がいるなんて……ふふ……」
あ、あの、櫻井さん?
黒いオーラが出てますよ?
しかも、たっぷりと殺気の籠った。
「笑えばいいじゃないですか、さぁ笑いなさいよ。ってか笑え」
……こんな時、どういう顔をすればいいかわからないよ。
笑えば良いんじゃないかな?~byヘタレな転校生~。
なんて、言ってる場合ではない。このままだと、確実に僕は消される。
「いやいや、おかしくないですよ。もう中学3年生だし、それぐらいはねぇ?」
軽い口調とは裏腹に、嫌な汗がダラダラ。
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