見知らぬ世界

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「…ここが、私の願いを叶えてくれる場所?」  あたり一面の緑。木の葉から漏れる木漏れ日。  ここは、森の中だ。 「森が、私を変えてくれるの?」  自嘲気味に私は木の幹に触れながら呟く。  夢なんだ。あの声も、あの扉も (目覚めろ、自分…)  思い切り、自分の頬を抓る。けど、夢は消えず、ジンジンとした痛みが来ただけだった。 (…嘘。あれは、現実に起きたことなの…?) 「キュイ?」 「……?」  視線を前にむけると、こっちを見ているのは、プルプルとした水色の物体…。 「何、あれ…」 「キュー」  間違いない、あの物体が鳴いている。  近付こうとすると、その物体は向こうへとぴょんぴょん跳ねて行く 「待ってっ…!」
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