白兎とオオナムジ

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「いったいどうやってどっちがおおいか数えるだ?」 「そんなことはわけはない。いいか、おまえはこの海に住んでいる鰐という鰐の仲間を集めてきて、この島から塩津の浜まで、ずうっと一列にならばせるのだ。用意ができたらおらが背中を一つずつ、とんでいきながら数えていく。そうすれば鰐の仲間と兎の仲間とどちらがおおいかすぐわかるというものさ。」  鰐はすっかりだまされて、さっそく仲間をよびあつめ、島から塩津まで一列にならんだ。 白兎は一つ二つ三つと数えながらどんどん渡っていった。気も遠くなるほどとびつづけ、数えつづけていくうちに、なつかしい塩津がみえてきた。塩津は白兎が流されてきた気の枝川の川口である。白兎はあまりのうれしさに、最後の鰐を数え終わらぬうちに、 「まぬけな鰐だなぁ、おらは数なんかどうでもいい、この浜へ来たかったのさ。」
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