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あの日僕は見せたいものがあってミカルナを呼び出した。
「おい、ルーシーどこ行くんだよ」
「まーまー。もうすぐで着くから」
ルシアンにいきなり呼び出されたミカルナは不信感を募らせながらもルシアンに付いて行った。
少し歩くと巨大な古木と美しく澄んだ湖が見えてくる。
「うわ・・・」
「ほら、すぐって言ったろ?」
「すげー・・・なんだここ。澄んでるのになんか変な感じが」
ミカルナがそこまで言いかけた時、突如静寂が崩れた。
風は轟々(ゴウゴウ)とうねり、木々は暴れ狂う。
そして、奴らが現れた。
片方は強い光を放ち、もう片方は深い闇を纏(マト)っていた。
「おい!てめーら、ここは今の時期立入禁止区域だぞ!!ここで何してやがる」
そう空気が震える程に叫んだのは深い闇を纏う、仮面の青年。
「まぁまぁ、そんなに怒鳴らなくてもいいでしょう。貴方はその短気を治すべきですよ」
それを諫(イサ)めたのは強い光を放つ、フードを目深に被った青年。
前者は悪魔で後者は天使だ。
「ほら、お前らさっさと出てけ」
しっしっと犬にするように悪魔の青年が手を振るとそれを天使の青年が制止した。
「あ、ちょっと待って下さい。やはりここはきちんと罰を下さないといけないと思うんですが」
【罰】。
その言葉にミカルナはビクッとする。
何やらされるんだろ・・・・・。
それを目敏(メザト)く見ていた天使の青年はニコリと微笑んだ。
「大丈夫ですよ。心配する必要はありません」
その言葉にホッとしたのもつかの間、次の瞬間ミカルナとルシアンは自らの耳を疑うことになる。
「ちょっと人間界に落とされるだけですからね」
「「え・・・!?」」
悪魔の青年がパチンと指を弾(ハジ)く。
次の瞬間、
「ん?」
「あ?」
「「うっあああああああぁぁぁぁぁぁっっっ・・・!!!」」
そして二人は足下に突如現れた穴に落ちていった。
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