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その理由は、追いかけられていたのが高宮だったからだ。
高宮―
高宮進は亜希と同じクラスの男子で、見た目と性格が根暗な事、更にはオカルト好きな不気味な雰囲気が相まってクラスメイトからは距離を置かれがちな存在だった。
故に、いじめられやすい対象でもあった。
そして今、河川敷で行われていたのは逆鬼ごっこなんかではなく、恐らく高宮は一対三でいじめられていたのだ。
よりにもよってそんな状況下の高宮と、亜希はアイコンタクトをとってしまったのだ。
(これは、助けに行かなきゃいけないパターン…か?)
内心めんどくさい事になっちゃったと思いながらも、知ってしまったからには放っておくのも気が退ける。
亜希の性格からして、本来ならば面倒事には絶対に自分からは首を突っ込まないし、そんな状況を見てしまっても気づかれなければ無かったことにして知らんぷりが通常なのだが。
時既に遅し、今回は高宮とばっちり目が合ったため無視できそうになかった。
そんな事を考えてる内に、脱出虚しく三人に捕まった高宮は人の目が届きにくい橋の下へと連れ去られていった。にもかかわらず高宮の顔はいつもと同じ無表情だった。
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