暮れなずむ河川敷の

4/7
前へ
/7ページ
次へ
(何で捕まってんだよあいつー。逃げろよ…。あ、逃げられなかったのか。でも助けるっつっても俺が出てったところで変わらんし。 うーん…) 自転車のスタンドを立てて道端に寄せると、どうしようか迷いながら取り敢えず橋の元まで近寄った。その間に考え得る最善の策をいくつか練ってみて、実行することにした。 思い付いた一番良い方法は、頼れそうな人に助っ人してもらう事だ。 早速携帯の電話帳を開いて助っ人の召喚を開始する。 プルルル… 『もしもーし』 「部活終わった?」 『おう!丁度今終わったとこだよ』 「うぅー、そっか。んじゃあいいや、またな」 『え、あぁ、また―』 プッ。 (駄目かっ!) 一番の親友である律に電話してみたものの、今部活が終わったとこじゃとても助っ人としては機能しない。もし帰り途中だったなら急いで駆けつけてもらうこともできたんだけどなぁ。 くそーと思いつつも、律に断られたんじゃ他に頼れる奴いないじゃないか。電話帳を一覧しても助っ人として呼べそうな人はいないし。 …栄介が来てくれれば一発なんだけど、と思いながらも、あいつが来るわけないのはわかりきってるから電話はしない。 次の作戦として、知り合いかお巡りさんでもタイミングよく通ってくれないものかと願ってはみるけど、人通りはあるものの世の中そんなに都合良くは出来ていないらしい。 まじでか、と落胆して、仕方ないのでもう腹くくって自ら乗り込むしかない。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加