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小さな上履き。
女子の物に比べたら大きいだろうけど、俺達男から見たら随分小さい。
いや、蒼空君も男なんだけど。
そういや、全体的に女の子っぽいとまでは行かないけど、可愛かったような気がする。
そんな馬鹿な事を頭の隅で考えながら、俺は靴に履き変えた。
□■□■□■□
次の日、蒼空君は教室にはいなかった。
下駄箱に靴はあったから、学校には来ているんだろうけど。
でも、教室じゃないなら何処にいるんだ?
「おーお前今日はちゃんと来てたのかー」
「…おっはよーございまぁす、せんせぇ」
気が付けば昨日の担任が後ろに立っていた。
一応挨拶をしてそのまま教室を出ようとする。
けどそれはあっさりと阻止された。
「おいおい、何処に行くつもりだ?
餓鬼はおとなしく勉学に励めや」
「ホストでヤーさんなワケ?
お腹痛いんでおトイレ行ってきまあす」
担任の手を叩き落としてそのまま教室を後にした。
あの担任はあっさりと引き下がって、特に何も言わずに俺と反対の方へ歩いていく。
「さて…」
一息ついてから辺りを見回す。
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