蒼空 -ソラ-

6/8
前へ
/16ページ
次へ
小さな上履き。 女子の物に比べたら大きいだろうけど、俺達男から見たら随分小さい。 いや、蒼空君も男なんだけど。 そういや、全体的に女の子っぽいとまでは行かないけど、可愛かったような気がする。 そんな馬鹿な事を頭の隅で考えながら、俺は靴に履き変えた。 □■□■□■□ 次の日、蒼空君は教室にはいなかった。 下駄箱に靴はあったから、学校には来ているんだろうけど。 でも、教室じゃないなら何処にいるんだ? 「おーお前今日はちゃんと来てたのかー」 「…おっはよーございまぁす、せんせぇ」 気が付けば昨日の担任が後ろに立っていた。 一応挨拶をしてそのまま教室を出ようとする。 けどそれはあっさりと阻止された。 「おいおい、何処に行くつもりだ? 餓鬼はおとなしく勉学に励めや」 「ホストでヤーさんなワケ? お腹痛いんでおトイレ行ってきまあす」 担任の手を叩き落としてそのまま教室を後にした。 あの担任はあっさりと引き下がって、特に何も言わずに俺と反対の方へ歩いていく。 「さて…」 一息ついてから辺りを見回す。 .
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加