小夜鳴鳥 -ナイチンゲール-

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俺は思いきり相手を睨みつけた。 それでも相手は何も感じてない様子で、口許に薄い笑みを浮かべている。 ―――その余裕たっぷりな態度が、スッゴイ勘に触った。 色素の薄い茶髪の髪をボリボリ掻いて、欠伸を何の躊躇いもなくする。 頭の後ろが跳ねてる……まさか本当にここで寝てたのか? 俺の探る様な視線に気付いたのか、ソイツが俺の瞳を見てきた。 まるで、覗き込む様に。 深い深い翡翠の瞳が、 全てを悟っているかのように、揺らめいた。 「俺は蒼空君のクラスメイト。 李久(リク)って云うんだけどさ、知らない?」 「興味無い」 「あれ、可愛くないなぁ……見た目と中身、間逆だね」 楽しそうに笑うソイツ…李久は、ニッコリと笑みをつくった。 俺が嫌いな、嘘の笑顔。 なんなんだ、コイツ。 「……何とでもどうぞ。起きたついでに教室にでも戻れば、ペテン師さん」 俺がそう言えば、李久は目を丸くした。 まるで俺のこの反応が予想外だったかのように。 「怒んないんだ?」 「アンタこそ怒らないの」 同じ様に問い返してやれば、李久は楽しそうに笑った。 .
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