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マサノリも私も、青い顔でマサアキを探し回った。とにかく考えられる場所、すべてをあたった。
しかし私には、はっきりさせておきたいことがあった。
マサノリは何に対して焦燥を覚えているのだ?
マサアキに対する思い故に、彼の身を案じているのか?
それとも―
私はこちらについては余り考えたくはなかった。
マサノリは、マサアキの身が警察にわたることによって、自分の罪が露見することを恐れているのか?
どちらにせよ、私には彼に自身の心情など問う余地はなかった。
心構え云々を談義するには、私たちが持つ時間はあまりに少なすぎた。
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