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大きな声を上げた川上は、開けっぱなしだった冷蔵庫の扉を勢いよく閉め、立ち上がる。 さっきまで死んでいた目が、幾分輝きを取り戻し始めている。 ――家賃を払いに行って、そこで落としたに違いない。 きっと……いや絶対そうだ、そうとしか考えられない! めんどくさがり屋の管理人さんの事だ、俺が自分で取りに行くまで待っているつもりなんだ。 そうだそうだ、そうに決まってる。 「待ってろよー、俺の財布ちゃん!」 川上は大声でそう叫びながらスキップで部屋の出口へと向かい、棚の角に思いっきり足をぶつけ、しばらく悶絶したのであった。        
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