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『天神橋ハイツ――306号室』
――あーもう、どうしてこんなに可愛いんだろ、おかしい、俺はそこを真剣に考える必要があると思うんだ。
香織ちゃんはなんでこんなにも可愛いんだろう!
この華やかな笑顔、色白の肌、華奢な体、どこをとっても完璧、パーフェクトッ!!
あー、もう真剣に考えなくたっていいや、可愛いし、だって可愛いし!
かーわいいなー、かーわいいなー、あそっれ、かーわいいなー。
天神橋ハイツ三階、306号室。
川上の部屋と同様、さほど広くもない部屋の中央で、まだ二十代に見える若い男――南野小太郎が一枚の写真を両手で持って眺めながら、床をごろごろと転がっていた。
転がる、と言うよりは、身悶えしていると言うのが正しいだろうか。
――こんなに可愛い香織ちゃんと、俺との間に子供ができたらどうなるんだろう……。
ちょちょちょちょっと待て、やめたまえ、何を考えているんだ俺、おぅれ!
気が早いだろ、まだ気が早い……いや、でも待て、考えるくらいならいいか、俺は香織ちゃんに結婚を申し込むわけだし、あり得ない話ではない、というよりむしろ近い将来現実となる話じゃないか!
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