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よしイメージしろ……香織ちゃんの遺伝子は完璧として、僕の遺伝子が混ざるとなると……うわー、駄目だ、僕の遺伝子は駄目だ!
でも、香織ちゃんの遺伝子なら僕の遺伝子ぐらい打ち消してくれるだろう、全消しだ全消し、えいっファイアーアイスストームってなかんじで全消しだ!
生命の仕組みを一切理解していないような事を心中で叫びながら南野は床をごろごろ、ごろごろと転げまわる。
視線は両手で持った一枚の写真に釘付けとなっている。
その写真には、笑顔の南野に肩を抱かれ、恥ずかしそうな表情を浮かべている容姿端麗な女性が写っていた。
その女性こそが南野が香織ちゃんと呼んでいる『宮瀬香織』、南野の恋人であり、この狭い部屋で同棲している同居人でもある。
現在宮瀬は朝から買い出しに外出しており、この部屋には南野しかいない。
南野は暇を持て余し、このような奇行に及んでいるというわけだ。
南野は、宮瀬が好き過ぎるのである。
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