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4月。
それは、始まりの時でもあり、出会いの時でもある。
新しい場所、新しい時、新しい人……。
その中で、心すらも新しくなる。
この日、私立相馬学園にも、新入生がやって来た。
生徒達の大半は、これから訪れる新しい学園生活に期待を膨らませていることだろう。
その学園の新入生の中に、木村健太もいた。
「うん、無事に入学式も終わったな。これから高校生活が始まるんだ」
外に咲く桜の木を見ながら、健太は呟く。
彼は、この小説の主人公であり、短く黒い髪の毛で、眼は黒くパッチリとしていて、背が結構高い男子生徒である。
出席番号は、13番。
「よう健太。やっぱり同じクラスになったな。俺の言った通りだっただろ」
彼は、健太が小学生の頃からの古い親友である、出席番号12番、海田吉行。
彼健太同様の黒い髪だが、ちょっと長めで、背が少し低い。
吉行の最大の特徴は、人懐っこい所にある。
健太とも、中学校の時に知り合って、すぐに仲良くなったらしい。
「ねぇ吉行」
「なんだよ」
「僕達高校生になったけど、なにかやりたい事でもある?」
吉行はちょっと考えて、
「うーん、オンラインゲームのオールコンプリートかな?」
と言った。
「そんな事、高校生じゃなくても出来るでしょ。その前に自分のパソコン買ったら?」
そう、吉行はパソコンを持っていないのである。
「うう、お前そんな事言うなよ」
核心をつかれた吉行はちょっと暗い顔をした。
そんな時、
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