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「あの~ちょっと空けてくれませんか?」
「!あっ、すみません」
健太はその女子を見て、固まった。
その女子は、金色の長髪で瞳が青い、ハーフの女の子だった。
健太がちょっと横に動くと、
「ありがとう」
と、笑顔で答えた。
彼女の名前は相沢かなえ。
後に健太と知り合うこととなる。
出席番号は、1番。
かなえは、健太がどいた道から、窓際の先頭の方に座った。
その様子を最後まで見ていた健太に、
「おっ、早速一目ぼれか?」
吉行がちょっかいを出してきた。
「いや、別にそういうなんじゃ……」
「まぁ、ちょっと美人だよね」
「そうだね」
健太と吉行は同意する。
「ところで健太、お前ってやっぱり高校になったから、恋愛とかするのか?」
「いや、どうなんだろうね」
突然の吉行の質問に、健太は少し考えながらも、そう答えた。
「何だよ、連れないな」
吉行は悪態をついた。
「いや、別にそんなのは高校生活を過ごしてみないと分からないでしょ?」
「……まぁ、確かにな」
そんな会話をしていると。
「お~い、席に着け~」
と、若い感じの先生が入って来た。
今度から、健太たちの所属する1年B組の担任をやることになる、外川隆平である。
「じゃあ、HRを始めるぞ」
そして、高校生活最初のHRが終わった後、健太達はそれぞれの家へと帰って行った。
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