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入学して次の日。
この日はとてもさわやかな天気だった。
太陽が教室を光で包み込んでいるのが見える。
そんな静かな教室だったのだが、
「ふぅ……ちょっと気分が舞い上がっちゃって、早めに来ちゃったけど」
健太の声が教室に良く響く。
「やっぱりまだ誰も教室にはいな、くはないか……」
健太は、発言の途中で、誰かが席についているのを発見した。
「あの、すみません。君は……?」
まるで、記憶喪失をした少年のように健太は答えた。すると、
「私ですか?私は、古畑任○郎です」
「いや、どう考えたって違うよね。それに君は女の子だし」
そう、今、自分のことを古畑任○郎と言ったのは、髪の毛が肩にかかっていて、
瞳がパッチリとしている女の子である。
ちなみに、この高校の制服は、男子は、全身黒の学ランっで、女子は、ピンク色のセーラー服である。
そのピンク色の部分まで、彼女の髪はかかっていた。
「すみません。私の名前は小野妹子」
「それも男の人の名前だし」
「……本気で間違えた」
「なにもそこで謝らなくても」
しかし、彼女本人は、反省してはいない。
「私の名前は中川美奈。よろしく」
「そ、それは本当の名前だよね?」
「ええ、これは本当の名前よ」
中川美奈と名乗った少女は、かなり不思議な少女だった。
「僕の名前は木村健太。よろしくね。僕のことは、健太って呼んで。今まで下の名前で呼ばれてきたから」
「じゃあ健太、私のことは美奈って呼びなさい!いいわね?」
「は、はい!っていうか、なんで命令形?」
美奈は、健太のそんな質問を無視して、
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