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ちょうどそんな感じで三人が話していたところに、
(ガラッ)
「よう、健太。おっ、なんだなんだ?入学早々モテモテじゃねぇか。さすがは中学校の
卒業アルバムで、彼氏にしたいぞランキング第1位だぜ」
今度は吉行が入ってきた。
そして、入ってくるなり、健太のことに関しての情報を暴露していた。
「吉行、それは恥ずかしいから言わないでよ。ていうか、なんでこうベストタイミングで入ってくんだろう吉行は」
健太は、吉行のその幸運さに少々あきれていた。
「よっ、おはよう。中川に愛沢」
吉行には、初対面の人に対しても、あまり「さん」「君」をつけて呼ぶことがないという特徴がある。
そんな性格なので、友達がたくさん出来るのだ。
「ところで健太。お前と中川って、やけに仲いいな」
健太にはそのセリフがどんな意味を持っているのか、分からなかった。
「いや、それはどういうこと?」
「というか、なぜに中川に対しては下の名前で呼ぶんだ?」
普通、下の名前で呼び合うということは、幼馴染か、恋人同士という関係にあるときだけだ。しかし、健太は、まったくもって美奈のことを知らないので、
「それは、そう呼べって言われたからだよ」
本当のことを言った。
ちなみに、美奈は意味深な表情をしていた。
それが吉行と健太、どちらに対してのものかは、不明。
「そっか。そういうことか」
吉行は、そんな美奈のことを言って、何やらニヤニヤした表情を健太に見せる。
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