その1 自己紹介

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「……その表情、僕のこと信じてないな?」 「……ま、信じてやるよ」 不敵な笑みを浮かべながら、吉行がそう答えた。 健太は、そんな吉行に若干の疑問を感じつつも、 「木村君は美奈と仲良くなったの?」 というかなえからの質問に答えた。 「う~ん……まぁ、仲良くなったと言ったら、良くなったと言うべきかな?」 「そうね。私と健太の関係は、山よりも深く、海よりも高い関係ね」 「それって全然仲が悪いってことだよね……」 天然なのかわざとなのかわからない美奈のボケに、健太はあきれながらもそうツッコミを入れた。 「それじゃあ私のことは『かなえ』って呼んで。あと、私も木村君のことを『健太君』って  呼んでもいいかな?」 健太はちょっと顔を赤くする。 隣にいた吉行も、うらやましそうに健太を見つめる。 「いいな~健太だけズルいや」 「それなら、海田君も吉行君って呼びますね」 「いよっしぁあ!俺に春が来た!!」 「はしゃぎすぎだから」 冷静に健太は突っ込みを入れた。 「でも、初めのほうは『さん』付けだけどいいかな?」 「うん。それでもいいよ」 「分かった。かなえさん」 健太は笑顔でそう言った。
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