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「……その表情、僕のこと信じてないな?」
「……ま、信じてやるよ」
不敵な笑みを浮かべながら、吉行がそう答えた。
健太は、そんな吉行に若干の疑問を感じつつも、
「木村君は美奈と仲良くなったの?」
というかなえからの質問に答えた。
「う~ん……まぁ、仲良くなったと言ったら、良くなったと言うべきかな?」
「そうね。私と健太の関係は、山よりも深く、海よりも高い関係ね」
「それって全然仲が悪いってことだよね……」
天然なのかわざとなのかわからない美奈のボケに、健太はあきれながらもそうツッコミを入れた。
「それじゃあ私のことは『かなえ』って呼んで。あと、私も木村君のことを『健太君』って
呼んでもいいかな?」
健太はちょっと顔を赤くする。
隣にいた吉行も、うらやましそうに健太を見つめる。
「いいな~健太だけズルいや」
「それなら、海田君も吉行君って呼びますね」
「いよっしぁあ!俺に春が来た!!」
「はしゃぎすぎだから」
冷静に健太は突っ込みを入れた。
「でも、初めのほうは『さん』付けだけどいいかな?」
「うん。それでもいいよ」
「分かった。かなえさん」
健太は笑顔でそう言った。
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