帰ってきた少女

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私はお母さんとある場所を目指して車のなかで揺られています… 「真紀子そろそろ着くわよ~ ほら、海も見えてきたよ。」 う~ん、眠くてうまく起きれない。 眠い目を擦りながら起きてみると、そこには懐かしい風景があった。 「うわ~、なつかし~なぁ。」 そう言えばよく夏になるとこうちゃん、たっくん、けいちゃんと遊んでたなぁと思い出に浸っていると… 「真紀子着いたから降りなさい。」 そこには新しい私たちの家があった。 案外中は広くて想像以上だった。 「荷物はもうだいたい送って家にあるから散歩でもしてきたら??」 私は勿論『うん』と、答えた。 「あと散歩のついでに買い物もたのめる??」 私はそれにも『うん』と頷いた。 行ってきます、と言って辺りを見ることにした。 まずは、あたしの思い出の場所に向かった。 正確には私と光樹、拓、敬太の思い出の場所かな… ………… ……… …… … ちょうど10年前のことだった。 私たちはいつも一緒に遊んで、笑って、怒って、泣いた。 そんな楽しかった時間が終わりを告げた。 両親の離婚、母の転勤で私はこの街を去らなければいけなくなった。 引っ越しの前日にみんなに向かってこの事実を話した。 みんなは最初驚いて言葉すら発しなかった。 だがこうちゃんはいきなり、 『タイムカプセルを埋めよう』と言った。
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