旅立つ君へ

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夢と希望をもって旅立つ君へ。 今、君は期待と不安でいっぱいなんだろうね。 誰だってそう、新しい世界へ踏み出す時には不安がつきものだ。 それはしかたないこと。 なぜならこの広い世界には、とてつもない淋しさがあるかもしれないから。 楽しいことばかりじゃないだろうし、悲しいことだってたくさんあるだろう。 雲はふわふわと流れゆき、風は優しく頬を撫でる…そんな止まることのない時間の中で、焦りに襲われることもないとはいえない。 だけど不安な気持ちは抱いてしかるべきものなんだ。 変化を繰り返す時間の中で変わりゆくものは、僕らじゃ操作なんかできやしないもの。 それでも、たった一つだけ、変わらないものがある。 それは、君が一人じゃないという事実。 今まで繋いできたであろういくつもの絆は、どんなときも…どこにいてさえ君から離れることはない。 そもそも人の心はそんなに簡単に変われるものじゃないんだよ。 さぁ…わかったならば安心しておゆきなさい。 君は一人じゃないんだから。 同じ空の下、繋がっているから。
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