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『寒いよ-…』
君が隣で震えた。
舞い落ちる雪は僕らの体温を確実に下げてゆく。
だけど僕は、雪が好きなんだ。
『こっちにおいで。一緒にいたら暖かいから』
そんなことを言いながら、寒がる君を優しく抱きしめた。
そうすれば…
ほら、なんだか温かい。
寒さを理由にしてはいるけど、本当は君を抱きしめたいだけだったりする。
だから雪の季節は好き。
こんなことを言ったら変かな?
二人でいると、じんわりと心があったかくなってくる。
寒さのせいなのか、単に恥ずかしがっているだけなのかはわからないけれど、赤く色づいた君の顔が愛おしくてたまらない。
願わくは、君のことを温める役目が、幾冬を越えても変わらず僕のものでありますように。
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