伝言

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「なんででないの?」 「あっごめん風呂入ってて・・・和恵?」 「・・いて聞いて」 声のトーンがいつもにまして真剣でした。 「和恵だよね?」 そんな私の疑問を遮るように。 「出るの!!」 聞き覚えのある声の主は言いました。 「和恵じゃないの?」 「風呂」 !? 「うっうん」 「そこから出るの」 突然またもザーザーと雑音が入り始めました。 「どうして?」 声の主はその質問に答える事なく、電話は切れました。 気持ち悪くなって風呂からはすぐに上がりました。 着替え終わったのを見計らったように再び着信が鳴ります。 恐る恐る携帯を取った私は、すぐには着信を取らず、着信履歴を見ました。 そこには、有り得ない番号が。 私の携帯番号でした。 呼び出し音は唐突に切れほっとしたのもつかの間、携帯から声が。 「遅かったはね」 聞き覚えのある声。 なんで!? ふっと部屋の隅を見ると、私が体育座りして携帯に耳を当ててこちらを見ています。
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