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――――――――そして現在。
俺は平凡かつ日常の中にピンチを迎えていた。
そう、それは…陸上部に視察中の事だった。
「君、陸上部入りたいの?」
「え…ええと…その…あの「大歓迎だよ!!“陸マネ”したいんだろ?今、“女子”の数が0なんだよ!“女子”のあんたなら“女子マネ”してくれよ」
「!?」
…………最悪だ。
俺は男子なのに…よりによって…よりによって…!!
“小田桐凌也”から話かけられて…オチはコレ…。
女…女って…うざいな…。
だから視察なんか行きたくなかったんだよ!!
「いや…俺は男なんですが。」
「はッ?女でしょ?嘘はイケないよ~全く~可愛いな~~それスラックスでしょ!制服でもネクタイ女子付けてるし!」
ああ…もう無理だ…!!限界だ…!!……………プツン!
「黙って聞いてりゃ…ベラベラと…!!」
「えッ…!?」
「俺は男だっ!つってんだろ!?スラックスじゃない!!ちゃんとした男制服だ!!よくみやがれ!!それに俺はここに入る気は無い!!!わかったか!!!」
「え…あ…はい…。」
「もうここへは来ない。だだ…果たしに来ただけだ…。悪かった…いや、すみませんでした。先輩。では帰ります。今日の事は忘れて下さい。先輩は練習あると想うので、これで失礼します。気を悪くしてすみませんでした。では…。」
「あッ……。」
………………ゴメン…紗羅…。俺、視察…失敗しちゃった…。なんて言えるわけないよな…。殺されるな…きっと…いや絶対に…!!やべぇ…どうしよ…う~ん……。
「桜!!何してんの~!今日は代わりで来てんでしょ!?」
「あッ…梨栞!!ゴメン!!忘れてた!!今行くよ!」
くそッ………!最近、紗羅ばっかりで全然仕事出来ねぇじゃん…………!!
―――――――「そろそろ始めるよ!!」
「あぁ!!」
……………コンコン…
「はい。」
「私です。御祖母様。」
「あぁ…“紗羅”ちゃんか…。こんな時間にどうしたの?」
「少し話があって来ました…。桜…いや、咲夜…さんがやってる仕事についての事…………なんですが…。良いですか…?」
「……知って…たんだね…?桜君の事…。」
「はい……。大分前から…。ずっと長い付き合いですもの…。見た感じで分かりましたよ。あぁ、あれは桜だなって……。」
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