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その後、しばらくは4人で話し(慎哉は殆ど喋らず輝が大いに喋った)、辺りが完全に暗くなった時点で4人は帰ろうとした。
「今日はもうお開きな。
あとは帰りながら話せばいいだろ?」
「うん、そうだね。
浩介と夜霧君もそれでいい?」
「僕がお前の根性を叩き直してやる!!」
「……やだ」
まだ2人は盛り上がっていた。
と言うよりは浩介が勝手に盛り上がって、慎哉に詰め寄っていた。
「ほら、2人とも行くよ」
2人をこずいた後遥香は教室から廊下に出た。
そう、確かに彼女は廊下に出ようとした。
だがしかし、其処に廊下は無く、あるのは一面どこまで続くかも分からない闇。
そして、その闇には足場なんか存在しない。
足を踏み入れた者は全て、進むことも出来ずに飲み込まれるだけ。
「え、何これ?」
「遥香!!」
理解出来ないまま闇に落ちる遥香に飛び付き、浩介は自分も迷うことなく闇に飛び込む。
そのお陰で、浩介は落ちる遥香の手を掴む事が出来た。
「慎哉!!」
「……分かってる」
輝も闇に飛び込んで浩介の手を掴み、慎哉は輝の足と教室の扉を掴んだ。
「……くっ」
「慎哉、引き上げられるか?」
「……何とかする」
そうは言っても、普通は慎哉のように持ちこたえられる筈が無い。
慎哉自身も含めて男女4人、いくら軽く見積もっても合計200Kgは有る。
その上、4人が全員鞄を持っているため、実質200kgは軽く超えている。
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