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「は?
イヤって何がだ。」
慧さんはたんたんと、声色も変えずに話す。
「え…だって襲われるんじゃ…」
「誰が誰を?」
「2人がわたし―」
「「ありえない」」
「ちょっと何で2人そろって即答なんですか!!
あーーー!!!
もういいです!!
帰ります!!」
なんなんだ!!
この人達!!
人をイライラさせる天才か!?
「帰んなよ♪
ひとつ、質問に答えてくれればいいだけだから」
優さんはにっこり顔のままで。
「…。
…本当にひとつですね」
「あぁ…ひとつだ」
慧さんは、人差し指でメガネを上げてみせる。
「それなら…」
答えるだけで返してくれるなら…
まァ、いいか…
「じゃぁ、さっそく♪
涙ちャンはさ?」
あれ?
なんか優さんの顔が妙に真面目じゃない??
「俺と優のどっちに―」
慧さんも…
てこの人の顔が緩まないのはいつものことか。
でも優さんがあんなに真面目(?)になるくらいだ…
何か深刻な質問!?
「どッ…どっちに!?」
ゴクリと喉がなる。
「「トキメイた?」」
「は…?」
今なんと?
「だーかーらー♪
俺と慧のどっちにドキッときたかッて聞いてンの!!」
…ドキッ!?
て…何!?
「正直に言え。
嘘ついて、涙には損も得もない。」
慧さんは相変わらずたんたんとしている。
つまり…
俺がこの2人のどっちにトキメいたかッてコトか…
まァ、答えれば帰してくれるンだし…
答えてみるか…
「涙ちャン♪
…どっち?」
正直に…
「俺だろ?」
正直に…
「俺は――…」
03へ続く*
→慧とエンドトーク♪
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