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何で!?
何で俺はここにいるンだっけ!?
何で
大学の合コンの―
しかも女子側席に
女装して
座ってンだっけ!?!?
事の始まりは1時間前―
「涙!!涙!!
るいーーーーーーーー!!!!!」
バタバタと階段を登ってくる足音。
その足音は順調に俺―涙の部屋に向かっている。
「涙!!」
声の主は姉貴の栞。
キレイに巻いたハニーブラウンの髪、大きな瞳…
この大声さえなければ完璧なるミスキャンパスなのに…
「何…?
姉貴」
「違うわ!!!
お姉ちゃんとお呼び!!」
「は?」
「今からあんたは私の弟じゃない!!」
ついに姉貴の頭は壊れたらしい。
「あんたは私の…
妹よーーー!!!」
「何言ってンの!?」
「よし!!
我が妹よ!!今から出かけるからコレ着て!!!」
相変わらずマイペースな姉貴から渡されたのは、ブラウンの長いウィッグ、白のワンピとデニムジャケット。
いわゆる女装セット。
「本気で何?」
「大丈夫!!
あんたなら行ける!!
私とそっくりだし。
その辺の女より可愛いわ♪」
「質問に答え…」
「早く着ないと、無理矢理着替えさせるわよ!!」
さすがにそれはイヤだったので女装セットに仕方なく袖を通してみる。
あァ…
姉貴の言うとおり、小柄な俺は姉貴の妹になってしまう。
この華奢な体。
昔からコンプレックスなんだよな…
「うン♪
とっても可愛いわ、涙♪
さすが私の妹ね♪」
「もう気がすんだだろ?
脱ぐ!!!」
「ダメに決まってるでしょう?
今から出かけるのに。」
「で、出かけるッてこの姿で。」
やっぱり姉貴、頭が壊れた?
「その姿じゃなきゃ意味ないもの♪
さ♪行くわよ♪
涙ちゃん」
「や、やだやだ!!!
この姿でなんて恥ずかしすぎる!!」
「いいから着いてくるの!!」
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