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こうして合コンは始まったわけだが…
どうやら俺が男だと言うことは姉貴以外、本当に誰も知らないらしい…
合コンも始まって30分もたてば、お目当ての人も決まってくるわけで…
すでにそれなりのカップリングも出来ている。
そんな光景をボーっと眺めていると
「るーーいーーちゃん♪」
いきなり話しかけられた。
ここに着いたとき車から話しかけてきた男の人だった。
「えーと…確か…舞鶴さん?」
「覚えててくれたんだ♪
でも俺、名字ってガラでもないから、優って呼んでよ」
舞鶴 優。
さらさらの髪に人あたりの良い笑顔…
でもそれなりに口説きなれてそうな感じは、まさに女のコのモテそうなタイプだ。
「じゃぁ…優さん」
「そうそう♪
で涙ちゃんにひとつお願いが…」
「お願いですか?」
「うん♪
あそこに女のコに絡まれてる、めちゃくちゃカッコイイのに、めちゃくちゃ無愛想な男がいるだろ?」
優さんが指さした先には、確かに『女のコに絡まれてる、めちゃくちゃカッコイイのにめちゃくちゃ無愛想な―というか女慣れしてなさそうな男』がいる。
「あ、はい。」
「その絡んでる女のコ…
実は俺、狙ってンだけど…あの通り、慧にべったりだろ?」
「べったりです。」
それにしても優さんは良くしゃべる。
「そこで、涙ちゃんに協力してもらいたい!!
俺がその女のコを誘うから、涙ちゃんは慧を誘って欲しいんだ♪」
「……それだけなら」
本当は男の俺が、男を誘うなんて死ぬほどイヤだったけど…
ここで断ったら後で姉貴にいろいろ言われるはずだ…
なによりゴージーのケーキがかかってる!!
「さすが
話しがわかるね♪
じゃぁ、さっそく誘いに行こうか?」
「はい」
――――――…‥
優さんはお目当ての女のコ(美咲ちゃんというらしい)の前にくると、横にすかさず座った。
「美咲ちゃん♪
たまには俺と一緒に飲もうよ♪」
「え~…でも、今は、慧くんと~」
「…そんなに俺と一緒に飲むのイヤ?」
そう言うと優さんは、儚く笑ってみせた。
うわァ…
これ落ちたな…
美咲さん落ちたな…
「い…いいえ…///
優くんとも飲んでみたい…かも…///」
す…すごい…
なんというか手際がいい!!
そうこうしてる間にも優さんは、美咲さんを連れて別の席へ…
あ。俺もそろそろ誘わないと。
待ってろ!!
ゴージーのケーキ!!
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