01話*俺…男だよな!?

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  俺は、優さんほどとはいかなかったがそこそこに自然に横に座った。 「あ、あの…」 「…」 返事はなかったが、慧さんはこちらを向いてくれた。 「よかったら一緒に飲みませんか?」 「あぁ…」 幸村 慧。 優さん並のモテルックスの持ち主のようだが、ストイックというか、無愛想というか、俺からしたら絡みにくい。 「……。」 「……ι」 どうしよう会話が… 無い。 その頃姉貴はというと、こんな俺の状況など知らず、向こうでメアド交換中。 慧さんは慧さんで、黙々とオレンジジュースを――… てオレンジジュース!? 「ぷッ…」 「な…なんだいきなり」 「いえ、慧さん… こんなにストイックなのにオレンジジュースなんて…可愛いです!! あははは…はは…は… あ…」 「…。」 うわ…黙っちゃった… 怒らせたかな… 「すいません… 怒りました…よね?」 「…いや… 怒ってはない…が… 初めて言われたから…」 「初めて…ですか?」 「だいたいの女は、俺が酒飲めないの知ると離れて行くからな… 誉められたのは初めてだ」 今の誉めたつもりはないんだけどな… でも、どうしてだろう? さっきまでの話しにくさはどこかに行ったみたいだ… 「な…なんだ あんまり見るな//」 あれ? もしかして照れてる? 「あははッ やっぱり慧さんは可愛いです!!」 「…さっきから思ってたんだが、男に可愛いは誉め言葉か?」 「誉め言葉じゃ…ないですね。」 「それじゃあ 誉められたと喜んでしまった俺は…バカみたいだな。」 少し照れたように微笑む慧さんは、どこか可愛い… 「バカみたいです」 つられたように、俺も笑ってみせる。 *
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