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さらば俺の初体験…
………。
……。
…。
チューされる!!とギュッと目を瞑ってみたもの…
一行にキスする気配もなく…イヤ!!別に待ってたわけじゃないけど!!!
代わりに聞こえて来たのは…
「ぷ…」
慧さんの笑い声だった。
「…あはははは!!」
「へ…?」
「あー…おかしい!!
あはは!!」
つか慧さん、やっぱりキャラ違くない!?
「慧さん笑いすぎ!!」
「だってあんまり簡単に騙されるから…」
「それ…ひどくないですか!?」
俺はぷいっとそっぽを向いた。
「……怒ったか?」
「…。」
本当は別に怒ってるわけじゃなくて…
ただなんだか改めてこの状況―ラブホでさっきまでとは違うキャラの慧さんと一緒にいる、この状況についていてないだけで…
「…こっち向いて。」
つかやっぱりキャラ違う!!!
なんて言うか…気持ち悪い!!
「…ひとつ聞いてもいいですか?」
「…なに?」
「…慧さん、なんか…気持ち悪いです」
「…」
しばしの沈黙。
つか俺、今、気持ち悪いって言っちゃった!?
さすがに気持ち悪いはキレるよな!!
「ご…ごめんなさい!!
気持ち悪いじゃなくて…なんていうか…むずむずするっていうか…
とにかく…慧さんじゃないみたいなんです!!」
「…ぷ」
「…!!」
また!!
また笑ったよ、この人!!!
「だってさー…
俺、慧じゃないもん♪」
「は…?」
「だから…
俺、慧じゃなくて―」
そう言うと慧さん(?)は自分の頭に手を置いて…スルリと髪を後ろに引いた。
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