其の⑤ 敵を登場させましょう(イケメン可)

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「ぅう…」 うつ伏せのまま 顔を上げたそこには 一人の男が立っていた (侍??) 明らかに 現代の服ではない 男は右手に日本刀らしきものを携えていた 恐らくさっきの攻撃はそれによるものだろう 「ほう、まだ気を保つとは。」 侍男が口を開いた 「流石は瞬空の保持者、 と言った所か。 惜しい奴だが、まあ良い。 死ね」 刀が首目掛けて 下ろされる 「キイィッ!!」 動きがとれないまま 数秒が経過していた 今までの人生を 振り返られるぐらいの 長い数秒間だった By来輝 (あれ??俺死んでない… 生きてる!!) 目の前には 一人の女性の背 「ほう、椿か。久しぶりだな。」 侍男がにやりと笑う 「あなた…そんな余裕こいてると… 死ぬわよ?」 椿という人は 何やら手に木刀みたいなものを 持っていた 「笑わせるな、弱者」 侍男からの助走を つけた突進突き それを椿はかわした- かに見えた 否 彼女は突きを 避けるのではなく 当たりに行った しかしその突きは 椿の脇腹を浅く 裂いただけだった 笑っていた あたかも斬られる事が 分かっていたかの様に- そして そのまま懐に 飛び込んだ 侍男の懐は 体勢を崩しかけている 「まさかっ!?」 「散りなさい- 芽斬り(メギリ)、棘飛び!!」 椿の木刀が光を帯びた 侍男の腹に放たれた なぎ払いは それを斬り裂く 否 吹き飛ばした 侍男は後ろの コンクリート壁を 突き破った (何だコレは…?!) 来輝はあっけに取られていた ケンカなどとは次元が違う と、即座に 彼女は振り向いた 「あなた、瞬空の保持者ね? お互い名乗ってる暇はないわ。 立ちなさい」 「ぁえ??」 「早く!!」 「はははい!!」 気がついた時には 来輝は抱えられて、 運ばれて、 学校の裏庭にいた よく見れば 木刀を持っていたのは 可愛らしい女の子だった 今まで必死だったせいか 来輝は 一目見た瞬間に分かった とゆーか来輝が通う 学園の制服を着ている その女の子は木刀を背中に 背負った細長い筒のなかにしまった 「その…さっきは助けてくれてありが」 「私は椿。 いきなりで分からないと 思うけど今は戦う時じゃないわ。」 強気な女は嫌いじゃないぜ と来輝は言いたくなった 「とりあえず今は敵じゃない ことにしといてあげる」 「…あ、あぁはい」 しばらく考え込んだ しかし先ほどの 彼女の様子からして 信じてみてもいいかもしれない
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